尿漏れについて(2)

前立腺癌

前回、尿漏れに関してまとめましたが、自分が尿漏れを改善するためにやり始めた事を以下にまとめてみます。

薬で尿漏れ改善を狙う

前回の記事にも書きましたが、もともとベオーバという薬を飲んでいました。これに加えてトビエースという薬を服用し始めたのですが、かえって尿漏れが酷くなる感じがして止めてしまっていました。ちゃんと説明を聞こうとしない私も悪いと思うのですが、なかなか薬の効能に関して理解しないで服用している状態でした。皆さんもそうでないでしょうか。ただ、ベオーバにしろ、トビエースにしろ過活動膀胱に対する薬で、自分の尿漏れは、どう考えても尿道括約筋が弱っているのが影響しているのは素人的に考えても明らかなので、尿道括約筋を締める効果がある薬はないのか?と色々探したところ、デュロキセチンという薬があることが分かりました。ただ、この薬は、もともと泌尿器科で使われない、というか日本では、健康保険適用対象外という薬です。

まず、これらの薬の特徴を以下にまとめておきます。

1. ベオーバ(一般名:ベタニス) — 膀胱の過活動を落ち着かせる薬

■ どんな薬?

ベオーバは β3受容体作動薬 と呼ばれる種類の薬で、
膀胱の筋肉(排尿筋)をリラックスさせる作用 があります。

■ 効用(何に効く?)
  • 尿意が急に強くなる「尿意切迫感」を和らげる
  • トイレが近い「頻尿」を改善する
  • 尿意が来ると間に合わず漏れてしまう「切迫性尿失禁」を軽減する
  • 膀胱が過敏な状態(放射線後、細菌尿、膀胱炎後など)にも有効
■ 効果が出るまで
  • 早い人で 数日〜1週間
  • 安定した効果は 2〜4週間 で実感
■ 相性のよい人
  • “急にトイレに行きたくなる”タイプの尿漏れ
  • 尿意の強さに左右されて漏れるタイプ
  • 夜間の尿意が多い人

2. トビエース(一般名:コハク酸トルテロジン)

— 膀胱の過敏性を抑える「抗コリン薬」

■ どんな薬?

トビエースは 抗コリン薬 の一種で、
膀胱の筋肉が勝手に縮むのを防ぐ薬です。

■ 効用(何に効く?)
  • 膀胱の収縮が減り、尿意が強く出にくくなる
  • 急な尿意が少なくなる
  • トイレの回数が減る
  • 切迫性尿失禁の改善
  • ベオーバと併用すると相乗効果が期待できる
■ 効果が出るまで
  • 3〜7日 で効果を感じることが多い
  • 最大効果は 2〜4週間
■ 向いている人
  • ベオーバだけでは尿意が治まらない人
  • 尿意の刺激で漏れるタイプ
  • 放射線治療後の過敏になった膀胱
■ 注意(副作用)

口渇・便秘・軽い尿閉のリスクがあり、
便秘が強い人は注意が必要。


3. デュロキセチン(一般名:デュロキセチン)

— 尿道括約筋を強くする薬(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

■ どんな薬?

元々は抗うつ薬として使われていましたが、
現在は 腹圧性尿失禁が明確であれば保険適応ですが、一般的には尿漏れには保険適用外

■ 効用(何に効く?)
  • 尿道括約筋の締まる力を高める
  • 咳・くしゃみ・立ち上がり・歩行時の漏れを減らす
  • ストレス時の漏れにも効果
  • 神経の働きを安定させるため、放射線治療後にも有効性が高い
■ 効果が出るまで
  • 早い人で 2〜3日
  • 多くは 1〜2週間
■ 向いている人
  • 立つ・歩く・動く時に漏れる 腹圧性尿失禁タイプ
  • 放射線治療後の括約筋弱化
  • 夜間の漏れは少ないが活動時に漏れる人
■ 注意(副作用)
  • 眠気・吐き気・頭痛が最初の数日で出ることあり
  • 血圧がやや上がる人もいる
    (※臨床でもしばしば起こる)

以上になります。自分がまとめただけですので、使用に関しては、医師と必ず相談してください。

現在は、上記3つの種類を全部飲んでいます。ただし、デュロキセチンは、一般の泌尿器科の先生はご存知ない先生が多いと思います。自分の場合は、二人の医師に聞いてみていますが、まず、尿道括約筋を締める薬については、言及してくれませんでした。泌尿器的には保険適用外なので、仕方がないと思いますが、ちょっと残念ではありました。

どうしてもデュロキセチンを試してみたかったので、自分でデュロキセチンを扱っている泌尿器の先生を探して、2か月前に処方してもらいました。一般的には痛み止めで出される事が多いらしく、腰痛で(嘘ではないので..)処方してもらいました。副作用としては、薬剤師さんから言われた眠気が服用開始してから1週間は酷く、とにかく午前中から眠くなる始末でした。現在は服用開始してから2か月立ちますが、全く問題ありません。さらに、血圧は高くなります。上が+10位高くなっています。血圧の薬も常用していますが、ちょっと薬を増やしてもらっています。

効果のほどはというと、導尿時にカテーテルの挿入がきつくなったのは事実です。漏れに関して言えば、少しは改善した感じがしています。ただ、まだまだですね。引き続き継続したいと思います。

とにかく、前回も書いたと思いますが、放射線治療により、尿道などが繊維化(つるつるになる)して尿漏れが発生する可能性がある、という事は最初に説明をして欲しかったと思います。線維化すると言われて放射線治療を辞めるという事はないのは明らかですが、なんか知らされていないというのはやはりしっくり来ないです。

さらに、このデュロキセチンを処方してもらっている医院のところで、高強度焦点式電磁刺激(HIFEM: High-Intensity Focused Electromagnetic)技術を利用したスターフォーマーという機械の治療を受けてみる予定です。保険適用外なので、自費治療になりますが、効果があるのであれば安いものなので、受けてみようと思います。これも別途、記載したいと思います。

今日は、ここまでにします。次回は、もう一つ試した事があるので、それについて記載したいと思います。

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医療上の判断は、必ず担当医または専門医にご相談ください。

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